東洋大の最速158km左腕、細野晴希を熱心に視察していた事から細野の1位指名が予想されていた巨人。
しかし入札を公言したのは阿部新監督の後輩に当たる中央大・西館勇陽と言う結果に。
その西館以降も支配下では高校生を1人も指名しませんでしたが、そんな大社中心ドラフトの軽い感想を残しておこうかと。
来シーズン終わった後に見返したいし。
ドラフト1位
西館勇陽 中央大 右投右打 身長183cm
最速155kmで真っスラ気味の球質のストレートを操る大型右腕。
今年の春頃から状態を上げており、ドラフトイヤーに評価を上げた投手を指名する近年の方針を踏襲した形に。
その直球は最高で2500回転を超え、質の面でも申し分ないと見て良いでしょう。
変化球もカットボール、スプリットのクオリティは悪くない。
問題はコマンド面で、大学通算の与四球率も3.58と良いとは言えない数字。
ただ堀田や平内、鍬原が伸び悩んでいる現状で大型エンジンを搭載する右腕を指名したのは妥当と言える。
ドラフト2位
森田駿哉 Honda鈴鹿 左投左打
身長186cm
バランスの良いフォームから最速154kmの直球を繰り出す即戦力サウスポー。
しかし最も精度が高いのはスライダーで、ツーシームと合わせて左右の揺さ振りを武器とするタイプと見て良いだろう。
9月の東邦ガス戦では115球完投勝利を挙げているが、巨人では基本的にリリーフで使われる可能性が高い。
一応カーブやチェンジアップがあるものの投球に奥行きを付けられるタイプとは言い難く、スターター起用よりはそちらの方が無難。
法政大時代と比べて社会人ではコマンドの向上が見られている点は好印象。
ドラフト3位
佐々木俊輔 日立製作所 右投左打
身長174cm
50m走6.0、遠投100mの身体能力を誇る俊足強打のリードオフタイプ。
主戦場はライトではあるものの度々センターやレフトも守っており、10月のJABA関東選抜トーナメントでもNPBスカウトが見守る中で1番センターで出場していた。就活だろうか。
映像を見る限りは強く振れるタイプに見える。
今季主にセンターを守っていたブリンソンは度々見られるボーンヘッドによって首脳陣の不評を買っており、佐々木に来季のセンターを任せたい狙いがあると思われる。
ドラフト4位
泉口友汰 NTT西日本 右投左打
身長178cm
50m6.3、遠投105mを誇るショートストップ。
フットワークが軽く、守備面の評価が高い。
巨人では二遊間をまともに守れる内野の頭数が不足しており、かつ廣岡や香月をリリースした分の数合わせと言ったところか。
相澤や中田歩も下で結果を出しており、北村や若林辺りの首もそろそろ涼しくなってくる所。
中山が居る以上個人的には右打ちの内野UTが欲しかったが…。
3位の佐々木同様しっかり振る力はありそうなのが門脇に通じるものがある。
ドラフト5位
又木鉄平 日本生命 左投左打 身長182cm
オーバー気味のフォームから最速149kmの直球を繰り出す長身の左腕。
スライダーのキレ味に定評はあるがそれ以外の持ち球は乏しく、普通に考えてプロでは中継ぎ一本だろう。
球種のレパートリーが少ない分果敢に直球で内角を突くマウンド度胸を備えている点は◎。
最低でも落ち球は覚えておいて欲しい所だが、役割的には大江と被るので大江の立場もかなり危うくなりそう。
フェニックスで好投中の吉村の突き上げもあって高梨もうかうかしてられない状況と言える。
全体的に見てかなり来季のペナントに拘っているように見えるドラフト。
デプス的に見ても大城と山瀬の間の世代を確保したかった捕手以外は堅実に埋めてきていると言った印象。
社会人中心の即戦力ドラフトは所謂「即戦力外ドラフト」と言われるような大失敗ドラフトが度々発生するリスキーな一面も持ち合わせてはいるが、なんとか坂本や菅野が衰え切る前に栄冠を取り戻して欲しい。