三日月のぱわぶろ

パワプロ再現選手をクラフトします。巨人関連多め。SEA中心にMLBも守備範囲です。

知っておくと少し便利な野球の指標&MLB用語

野球ファンがTwitterやネット記事を見ている時、意味がよく分からない指標や用語が登場する事があるのではないでしょうか。

今回は少しコアに野球を見たい時や、日本人メジャーリーガーを追いたい時に知っておくと少し得するであろうワードを紹介します。

 

FIP

味方の守備力や運要素による影響を排除した防御率の様なものです。

本塁打と与四球が少なく、三振を奪える投手、つまり不運な失点すら許さない支配力のある投手が高く評価されます。

 

tRA

打たれた打球の内容まで評価する進化版のFIPです。

基本的にゴロを打たせれば長打を浴びるリスクが小さくなるので、前述した条件に加えゴロ率の高い投手も高く評価されます。

 

Whiff%

空振り/スウィング率、つまりスイングを掛けた際に空振りする割合の事です。

球種によっても大きく変動しますが全体の平均は大体21%くらいで、30%を超えると超一流と言えます。

 

Chase%

振らなければボールになるであろう球をスイングした割合の事です。

当然低い方が優秀で、20%を切ってくるとトップクラスの選球眼の持ち主と言えます。

 

Barrel%

長打が生まれやすい打球、即ちバレル打球を打った割合の事です。

バレル打球とは打球速度158kmなら打球角度26〜30°、と言った具合に打球速度と打球角度で計算されます。

10%を超えれば平均以上です。

昨年のアーロン・ジャッジは27.5%ととんでもない数字を残していますが、これは外れ値と言うべき事例で15%を超えるゾーンには名だたるロングヒッターが並びます。

 

Hard Hit%

全打球中の打球速度95mph(152.8km)超える打球の割合です。

MLB平均は大体35%くらいで、NPBではもっと低くなります。

 

P/PA

1打席辺りに投げさせた平均の球数を表す指標です。

ファウルで逃げるのが上手い選手やアプローチが慎重な選手、単純に四球が増える威圧感のある強打者等は数字が大きくなる事が多いです。

 

UZR

同ポジションの平均的な選手に比べてどれだけ守備で失点を減らしたかを表す指標です。

勘違いされがちですが、UZR=範囲の広さ、ではありません。

例えば内野手なら範囲の広さを示すRngR、失策の少なさを評価するErrR、併殺プレーにおける貢献度を評価するDPRの3項目の総合で評価されています。

 

DRS

 UZRと趣旨は同じですが、計算に用いるサンプルサイズがDRSの方が小さく、計測方法も若干違うのでUZRとDRSでかなり大きな乖離が発生する選手が存在します。

例えば2021年のデビッド・フレッチャーの場合、2BのDRS+11に大してUZRは-0.4とどちらの指標を基準にするかで別人の様に評価が分かれてしまいます。

 

アクティブ・ロースター

MLBの公式戦に出場する事が出来る26人の選手登録枠、日本で言う所の1軍登録枠です。

 

拡大ロースター

球団が直接支配下に置く事が出来る40人の選手登録枠です。

ここから選手を外したい場合は故障者リストに登録するか、DFAとする必要があります。

40人枠と呼ばれる事が多いですね。

 

DFA

選手を40人枠から外す措置です。

 DFAとなった選手は7日間以内にウェイバー公示されるか、トレードで移籍する事となり、7日間経っても新たな獲得球団が現れなかった場合は元の所属球団とマイナー契約を結ぶか、自由契約となるか、引退するかを選ぶ事が出来ます。

ウェイバー通過後に自由契約となった選手はMLB最低保証年俸で獲得が可能です。

 

サービスタイム

アクティブ・ロースターか、故障者リスト等の出場停止中リストに登録されていた日数を表します。

MLSと略される事が一般的です。

172日の登録でMLSが1.000となり、MLS3.000で年俸調停権、5.000でマイナー降格拒否権、6.000でFA権、10.000でトレード拒否権を獲得出来ます。

MLSが小さい選手ほどFAまでの猶予があると言う事になる為、トレードパッケージとしての価値が高く評価されます。

その他FAまで7年間選手を保有する為に敢えてトッププロスペクトを開幕後暫くしてからアクティブ・ロースターに登録するケースがしばしば見られます(現在は新人王有資格者が新人王を獲得するか、サイ・ヤング賞投票若しくはMVP投票で3位以内に入った場合、当該選手の所属球団は1巡目終了後のドラフト追加指名権を獲得出来る新ルールが追加された為プロスペクトを開幕から登録する球団も増えています)。

 

年俸調停

選手が年俸調停権を取得すると、選手側、球団側共に契約年俸に対して調停申請を行う事が出来ます。

申請後は選手と球団が互いに希望年俸の正当性を主張し合う公聴会が開かれますが、公聴会までに選手-球団間での妥協が成立するケースが殆どです。

実際に公聴会にまで持ち込まれると選手の希望年俸か球団の希望年俸、どちらかがそのまま採用される為両者の希望年俸の中間の折衷案で年俸が決定する事はありません。

通算266勝353敗と選手側の分が悪くなる事が多いですが、今年はブラディミール・ゲレーロJr.が希望額の1990万ドルを手にする等選手側が珍しく勝ち越しています。

 

サラリーダンプ

年俸が高額な選手を放出する為に行われるトレードです。

能力はあるが、球団のペイロールを圧迫している場合や、数年前に複数年契約を結んだ選手が不良債権化してしまっている場合等に発生します。

例としては昨年12月3日に成立し、シアトル・マリナーズ不良債権化しているマルコ・ゴンザレスとエバン・ホワイトをアトランタ・ブレーブスに放出。

ブレーブスは両者を引き取る見返りとして外野レギュラー格のジャレッド・ケルニックもマリナーズから獲得した大型トレードが挙げられます。

 

贅沢税

毎年MLBコミッショナーが発表する基準となるチーム総年俸を超過した球団に課される税です。

複数年連続で超過した場合課税率が高くなって行きます(初年度は20%、2年連続で30%、3年連続以降は50%)。

多くの球団が贅沢税回避の為の工夫や編成を行っていますが、ニューヨーク・メッツニューヨーク・ヤンキースと言った資金力が豊富な球団はこれを意に介さず、大幅に基準額を超過している事もあります。

 

タンキング

プレーオフ進出が厳しくなった球団等が意図的に戦力を減らす事で順位を落とし、ドラフトで上位指名権を得ようとしたり、チームの総年俸を抑えようとする戦略です。

例としては2012年に地区最下位に終わったマイアミ・マーリンズがハンリー・ラミレス、アニバル・サンチェス、ホセ・レイエスマーク・バーリーと言った主力選手を大量放出したファイヤーセールが挙げられます。

 

ワイルドカード

地区優勝チーム以外でポストシーズンに出場出来るチームの事です。

各リーグの地区優勝チームを除く勝率上位3チームが選ばれます。

NPBで言うAクラスみたいなものです。

 

Nasty

直訳すると不快な、嫌なと言った意味になりますが、スラング的に変化が凄まじい変化球に対しても賞賛の意味で良く使われます。

 

プロスペクト・ランキング

MLB公式サイト内でプロスペクトに関する情報を扱うMLBパイプラインが発表している有望株ランキングです。

MLB全体のランキングと各球団内でのランキングが存在し、MLB全体でトップ10に入る様な選手は近い内にMLBの舞台で頭角を現す事が多く、ある程度は精度に信頼が置けます。

 

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